「バーモ(Vamo.)って、見た目はいいけど実際どうなんだろう」。そう気になっている方も、多いのではないでしょうか。
ガスコンロのレビューには「使ってみた」系が多いです。購入前に知りたいスペックの中身まで、踏み込んだ記事は意外と少ないものです。
僕はホテル中華出身、現在は給食施設で働く現役調理師です。実は、以前ガスコンロの選び方について書いた記事を執筆中に、バーモと出会いました。そのスペックと見た目に、一目惚れしたんです。
この記事では、あえて未使用のまま、公式スペックと構造を読み解きます。4.65kWの強火力の実力と、グリルなしという弱点を正直に診断します。
読み終える頃には、バーモが自分の暮らしに合うか判断できるはずです。結論から言うと、火力と潔さを求める人には、かなり魅力的な一台です。
バーモ(Vamo.)ってどんなガスコンロ?
バーモ(Vamo.)は、リンナイがインターネット販売限定で展開するステンレスガステーブルです。
「料理好きのコンロ」というコンセプトを掲げる一台です。公式ストアが運営元となり、Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングなど複数のECサイトで購入できます。
基本スペック

まずは基本スペックを整理します。数値で見ると、バーモの立ち位置がはっきりします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型式 | ET21-2STSYA-S |
| 外形寸法 | 幅598×奥行448×高さ180mm |
| 質量 | 10.0kg |
| 最大消費熱量 | 4.65kW(4,000kcal/h)※都市ガス・LPガス共通 |
| バーナー | 両側強火力 |
| 価格 | 46,800円(税込・公式) |
注目は、4.65kW(4,000kcal/h)という最大消費熱量です。
kW(キロワット)は、火力の強さを表す単位です。数値が大きいほど、火力は強くなります。
しかも左右どちらのバーナーも同じ火力という、珍しい設計です。
家庭用最高クラスの火力、実際どれくらいすごいのか

一般的な家庭用コンロの強火力バーナーは、3,000〜3,600kcal/h程度と言われています。バーモの4,000kcal/hは、その水準を超える数値です。

え、それってそんなにすごいの?数字だけだとピンとこないんだけど…

業務用のガステーブルで8〜12kWくらいが目安だよ。バーモの4.65kWは、その半分くらいの水準だね。中華レンジみたいな専用バーナーはさらに桁が違うけど、家庭用としては圧倒的な数字なんだ
強い火力は、鍋の温度を落とさずに一気に炒め上げられる大事な要素です。野菜は水分を多く含みます。火力が弱いと鍋の温度が下がり、炒めているつもりが蒸し状態になってしまいます。バーモの火力なら、その心配が少なくて済みます。
なぜこんなに火力が出るのか?構造から見る強さの理由
バーモが家庭用トップクラスの火力を出せる理由は、バーナー内部の構造にあります。
数字だけでなく、仕組みを知っておくと、火力の意味がぐっと分かりやすくなります。
バーナーキャップの工夫

バーモは、専用設計のバーナーキャップを採用しています。
中央部分を、すり鉢のようにくぼませた形状です。

くぼませるだけで、そんなに火力変わるものなの?

炎って、ガス(燃料)と酸素が結びつくことで生まれるんだよ。くぼみを作ることで、炎のまわりに取り込む酸素の量が増える。酸素が多いほど、燃焼はより活発になるんだ
バーモが4,000kcal/hという火力を実現できているのは、この酸素を取り込む構造があってこそです(リンナイ公式サイトより)。
強火力が炒め物・チャーハンの仕上がりに与える影響

強い火力は、鍋の温度をキープする力に直結します。
野菜を入れた瞬間、鍋の温度は一気に下がります。火力が弱いと、温度が戻るまで時間がかかり、その間に水分がどんどん出てしまいます。
バーモの火力なら、温度の戻りが早く、水分が出る前に炒め上げやすくなります。この仕組みを踏まえると、炒飯もパラパラに仕上がりやすいと言えるでしょう。
ただし、これはあくまで火力の面での話です。鍋振りの技術や中華鍋そのものの特性も、仕上がりを左右する要素です。バーモさえあれば誰でもパラパラチャーハンが作れる、というわけではありません。
見た目だけじゃない、デザインと使い勝手
バーモの魅力は、火力だけではありません。見た目と使い勝手にも、こだわりが詰まっています。
オールステンレスの無骨さ

天板は、オールステンレス仕上げです。プロの厨房でも使われる素材で、無骨な質感が特徴です。
表面は「No.4研磨」という加工で仕上げられています。傷が目立ちにくく、日々の拭き取りもしやすい仕上げです。
天板はフラットな形状です。凹凸が少ないぶん、汚れが溜まりにくく、掃除の手間を減らせます。
前面パネルは、10度傾斜させた設計です。ツマミの数字や向きが見やすくなり、視認性が上がります。掴みやすさにこだわった、回転式の点火つまみも備えています。

ホテルの厨房も、コンロ周りはオールステンレスだったよ。汚れが目立つ分、逆に清潔感が保てるんだ。バーモのデザインを見ると、その質感を家庭用に落とし込んだんだろうな、という印象を受けるよ
※実物を試したわけではないので、あくまで画像と公式情報から見た印象です。
バーモの“特注鋳物五徳”、丸底の中華鍋にはサポートリングが安心


五徳は、バーモ専用に作られた鋳物製です。鋳物は重量があるぶん、ズレにくく安定感が出やすい素材です。
公式サイトでも、「重い鍋や大きなフライパンを乗せても安定する」と紹介されています(リンナイ公式サイトより)。
ただし、丸底の中華鍋を使う場合は、少し注意が必要です。
丸底の中華鍋を家庭のコンロで使ったとき、サポートリングなしだとグラグラして安定感に欠けると感じました。絶対に必要というわけではありませんが、あった方が圧倒的に使いやすいです。
バーモの五徳がどんな形をしていても、丸底鍋を使うなら、サポートリングを別途用意しておくと安心です。
なぜ家庭の五徳だとグラつくのか、その構造の違いは、鍋の振り方を解説したこちらの記事でも詳しく触れています。
中華鍋の振り方マスター|縦振り・横滑らせ・お玉押し、プロの3つの動作
僕が自宅で使っているのも、この鋳鉄製サポートリングです。お使いのコンロの脚数を問わず取り付けられます。
グリルなしは弱点か、それとも合理的な選択か
バーモには、魚焼きグリルがありません。これは、多くの人が気になるポイントだと思います。ここでは、グリルなしという選択の意味を、正直に掘り下げます。
掃除のしやすさというメリット

グリルがないことで、まず得られるのは掃除のしやすさです。
一般的なガスコンロは、グリル庫内に油はねや焦げが溜まりやすく、掃除の手間がかかります。網や受け皿を取り外して洗う作業も、地味に面倒に感じる人が多いはずです。
バーモには、そもそもグリル庫内という空間がありません。天板がフラットな分、拭き掃除だけで済みます。
- グリル庫内の油汚れとは無縁
- 網・受け皿の取り外し洗浄が不要
- 天板がフラットで拭くだけで完結
中華視点で見る「グリルなし」の意味
中華料理の調理法は、炒める・揚げる・蒸す・煮るが中心です。グリルで網焼きにする、という工程はほとんど登場しません。
その意味では、中華メインのキッチンにとって、グリルの優先度はもともと高くない、と言えるのではないでしょうか。

中華の厨房にも、家庭用グリルはなかったよ。チャーシューは専用の釜、それ以外の焼き物はサラマンダー(上火で炙る業務用の焼き物機)を使ってた。だから中華中心の調理スタイルなら、グリルなしはそこまで痛手にならないと思うよ
むしろ、グリルをなくした分の設計を、火力や天板の広さに振っている、と捉えることもできます。
焼き網はNG、センサーが誤作動する理由

「グリルがないなら、五徳の上で網焼きすればいいのでは」と考える方もいるかもしれません。
ただ、これはおすすめできない使い方です。
Siセンサーは、焼網を使うとうまく反応できません。センサーが鍋底の温度を正しく感知できず、調理の途中で火が消えてしまいます(リンナイ公式Q&Aより)。
魚を焼きたい場合は、フライパンやグリルパンで代用するのが安全な方法です。

もし僕がバーモを使うなら、魚はフライパンで焼くと思う。中華の調理道具とも相性がいいし、わざわざグリルの代用を探さなくても、案外困らない気がするよ
Siセンサーと安全機能、家庭のコンロでの付き合い方
バーモは強い火力を持つ分、安全に使うための工夫もしっかり搭載されています。ここでは、6つの安全機能と、注意しておきたいポイントを整理します。
6つの安全保護機能

バーモには、Siセンサーによる6つの安全機能が搭載されています。
| 機能名 | 内容 |
|---|---|
| 調理油過熱防止装置 | 調理油が過熱すると、自動で火力を調節し発火を防ぐ |
| 立消え安全装置 | 煮こぼれや風で火が消えると、自動でガスを止める |
| 消し忘れ消火機能 | 点火後、約2時間で自動消火 |
| 焦げつき消火機能 | 鍋底の焦げつきを検知して自動消火 |
| 器具栓つまみ戻し忘れお知らせ機能 | 消火後につまみを戻し忘れると、ブザーでお知らせ |
| 高温自動温度調節機能 | 炒め物や空焼き時、強火・弱火を自動で繰り返し異常過熱を防ぐ |
これらはSiセンサー搭載のガスコンロに共通する機能で、バーモだけの特別な機能ではありません(リンナイ公式サイトより)。強い火力を持つバーモだからこそ、この安全網がしっかり効いているのは心強いポイントです。
高温炒めモードと、揚げ物NGという注意点

炒め物をもっと高温でしたいときのために、高温炒めモード(センサー解除)というボタンが用意されています。
3秒長押しすると、通常は約250℃までしか上がらない鍋底の温度を、約290℃まで引き上げられます(リンナイ公式Q&Aより)。
ただし、このモードには使ってはいけない場面があります。天ぷらや揚げ物の調理です。

揚げ物のときはいつも通りのモードで大丈夫ってことね

高温炒めモードは、あくまで炒め物やあぶり料理向け。揚げ物は普段通りのセンサーに任せた方が安全だよ
センサーが働いたときの対処法
強い火力で炒め物をしていると、センサーが反応して火力が落ちることがあります。
これは故障ではなく、正常な安全動作です。鍋底の温度が上がりすぎたときに、自動で火力を調整しているだけです。
家庭のコンロでセンサーが頻繁に反応するときは、高温炒めモードを使ってみてください。それでも反応する場合は、鍋を一度コンロから離し、少し冷ましてから再加熱すると落ち着きます。
このセンサーとの付き合い方は、実は空焼きの段階から始まっています。実際にSiセンサーと格闘した一部始終は、こちらでも正直にまとめています。
山田工業所の中華鍋をプロ調理師が正直レビュー。30cmを選んだ理由と使い始めの話
価格は妥当か?パロマ2機種と比較する
バーモの価格は46,800円。安くはない金額です。ここでは、パロマの2機種と並べて、価格の妥当性を考えます。
スペック比較表

| 項目 | バーモ(Vamo.) | パロマ IC-S37BM-L | パロマ PA-A64WCK-L |
|---|---|---|---|
| 価格帯 | 46,800円 | 2万円台 | 44,800円〜 |
| 強火力バーナー | 4.65kW(両側) | 4.20kW(左) | 4.20kW(左) |
| 標準側バーナー | ―(両側とも同火力) | 約2.10kW | 2.95kW(右) |
| 幅 | 約59.8cm | 56cm | 59.5cm |
| 天板 | オールステンレス | ホーロー | ハイパーガラスコートトップ |
| グリル | なし | 水無し片面焼き | 水無し両面焼き |
| 温度調節機能 | なし(高温炒めモードのみ) | なし | 140〜200℃・7段階 |
こうして並べると、バーモだけが持つ特徴は「両側とも同じ強火力」という点です。パロマ2機種は、左右で火力に差があります。
ご家庭のガスの種類に合わせて、都市ガス用・プロパンガス用をお選びください。
どんな人にどちらが向くか
3機種を、価格帯とタイプ別に整理します。
僕は実際に、パロマ IC-S37BM-Lを4年間自宅で使っています。2万円台という価格を考えると、火力・掃除のしやすさともに十分すぎる満足度でした。バーモの46,800円という価格は、その倍以上になります。

一方、PA-A64WCK-Lは、僕自身が使用した経験はありません。両面焼きグリルと温度調節機能を備えた、機能重視のモデルです。

3年間使い続けたnonさんの声とスペックの読み解きは、こちらで詳しくレビューしています。
▶デザインから入ったら、機能が予想以上だった。パロマ PA-A64WCK-Lレビュー【3年使用】

結局、どれを選べばいいの?

予算重視なら、2万円台のIC-S37BM-Lで十分だと思う。グリルや温度調節などの機能を重視するなら、PA-A64WCK-L。見た目と両側強火力に惹かれるなら、バーモ。同じような価格帯でも、優先したいポイントで選ぶコンロは変わってくるよ
- 2万円台で十分:
IC-S37BM-L(火力と掃除のしやすさが最優先の人) - 機能を重視したい:
PA-A64WCK-L(グリル・温度調節がほしい人) - 見た目と両側強火力:
バーモ(デザイン性と火力の均等さを求める人)
設置前に確認しておきたいこと
バーモを迎える前に、確認しておきたいポイントが2つあります。設置後に慌てないよう、事前にチェックしておきましょう。
ガスの種類の見分け方や、設置スペースの測り方まで含めた基本ガイドはこちらにまとめています。
▶初めてでも失敗しないガスコンロの選び方!ガスの種類・火力・設置方法のポイント
防熱板の必要性

バーモは、可燃性の壁面から一定の距離を保って設置する必要があります。
距離が十分に取れない場合は、防熱板というオプションパーツを使うことで、熱を遮断できます(リンナイ公式サイトより)。
防熱板は、コンロ本体に取り付けるタイプです。壁に穴を開ける工事は不要なので、賃貸住宅でも設置しやすい仕組みになっています。
タイル張りやステンレス張りの壁でも、下地が木材の場合は注意が必要です。表面が不燃素材に見えても、内部の木材がじわじわ加熱される可能性があるためです。

見た目だけで「うちの壁は大丈夫」と判断するのは危ない。心配な場合は、防熱板を一緒に注文しておくと安心だよ
壁との距離が心配な場合は、本体に取り付けるタイプの防熱板もあります。
ガスホース・ソケットは別売り

バーモ本体には、ガスホースが付属していません(リンナイ公式サイトより)。
ホームセンターやガスショップで、別途購入する必要があります。
ガスホースは、都市ガス用・プロパンガス用で規格が異なります。ご家庭のガスの種類を確認したうえで、対応するホースを選んでください。ソケットの形状も、元栓の種類によって変わる場合があるので、心配な場合はガスショップに相談すると確実です。

意外と、コンロ以外にも買うものがあるのね

そうなんだよ。届いてすぐ使えるわけじゃないから、注文前にひと通り確認しておくのがおすすめだよ
ホースの長さは、ガス栓とコンロの接続口までの距離を測ってから選ぶのが基本です。
目安が分からない場合は、扱いやすい1mタイプから検討してみてください。長ければハサミでカットして調整できるので、短いよりは1mくらい余裕があると安心です。
ホースは都市ガス用・プロパン用で規格が異なります。ご家庭のガス種に合わせて選んでください。
ダンロップホームプロダクツ 都市ガス用ガスホース 1m ホースバンド付 9.5mm DR33756
【PR】内径9.5mmの都市ガス専用ホース。JIS規格合格品で、ホースバンドも付属。
※内径9.5mmは家庭用ガステーブルの標準規格で、バーモにも対応します。
ダンロップ プロパンガス(LP)用ガスホース 1m ホースバンド付 6003
【PR】内径9.5mmのプロパン専用ホース。JIS規格合格品で、ホースバンドも付属。
※内径9.5mmは家庭用ガステーブルの標準規格で、バーモにも対応します。
結論:バーモ(Vamo.)は「買い」か

ここまで、バーモのスペックを一つひとつ見てきました。最後に、「買いかどうか」を正直に整理します。
- 見た目にもこだわって、キッチンに愛着を持ちたい人
- 両側とも強火力で、炒め物を本格的に楽しみたい人
- グリルを使わない、または魚はフライパンで焼く派の人
- 丸底の中華鍋を、安定した五徳で振りたい人
炒め物中心の食生活で、掃除のしやすさとデザイン性を両立したい人には、かなり刺さる一台だと思います。
不向きな人
- 魚焼きグリルを、日常的に使いたい人
- 揚げ物の温度調節機能まで求める人
- できるだけ安く、コンロを揃えたい人
グリルや温度調節機能を重視するなら、パロマ PA-A64WCK-Lの方が満足度は高いはずです。予算を抑えたいなら、IC-S37BM-Lで十分力を発揮します。
二軸で見る、僕なりの結論
プロとして客観的に見れば、グリル付きの機種の方が、機能の幅は広くなります。
でも、個人として惹かれるのは、間違いなくバーモです。とんでもない火力と、高温炒めモード。中華にハマっている人、中華鍋で豪快に料理したい人には、最高のコンロだと思います。

正直に言うと、実用性だけならパロマでも十分。それでも「これが欲しい」と思わせる説得力が、バーモにはあるんだよね
火力と潔さに惹かれたなら、こちらから詳細をチェックしてみてください。
■ 本格中華を極める3つのロードマップ
ここまで読んでいただきありがとうございます!
あなたの「もっと上達したい」に合わせて、3つの道を用意しました。
①【🎓理論】失敗しない理屈を学びたい
②【😋実践】プロの味を今すぐ再現したい
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