豆板醤・甜麺醤・コチュジャン、もう迷わない|違いと料理別の使い方を元中華料理人が解説

豆板醤と甜麺醤を小皿に並べた写真に、「辛いか甘いかで選んでない?違いは、入れる工程にある。」の文字を重ねたアイキャッチ
本記事は、PRを含みます。掲載内容は個人の経験と独自の選定に基づいています。

豆板醤、甜麺醤、コチュジャン。レシピに書いてあって買ったものの、冷蔵庫で眠っている瓶はありませんか。

辛い、甘いの違いは分かっても、どの工程で入れるかまでは分かりにくいですよね。工程を間違えると、味がぼやけたり、焦げたりすることがあります。

僕は現役の調理師です。ホテルの中華厨房で、麻婆豆腐や賄いの肉味噌に、豆板醤と甜麺醤を使ってきました。

この記事では、3つの調味料の違いを入れる工程で比べます。料理別の使い方と、代用の考え方まで解説します。

違いが分かると、鍋に入れる順番に迷わなくなります。

使い分けの核は、味の違いより「入れる工程と目的」です。豆板醤は香りと色を油に移し、甜麺醤は水分を飛ばして絡め、コチュジャンはそのまま使えます。

3つの違いは「入れる工程」で分かる

豆板醤は油で炒めて香りと色を移し、甜麺醤は炒めて水分を飛ばして絡め、コチュジャンはそのまま使えることを示した、3つの醤の入れる工程の比較図

豆板醤、甜麺醤、コチュジャン。瓶を並べると、どれも濃い色の味噌のように見えます。

違いは、色や味だけではありません。鍋に入れる工程が、それぞれ違うんですよ。

まず、3つの調味料を簡単に紹介します。

3つの調味料とは
  • 豆板醤(トウバンジャン):そら豆と唐辛子で作る、辛味の強い発酵調味料。中国・四川の料理でよく使われます。
  • 甜麺醤(テンメンジャン):甘みの強い、中華の味噌。辛味はほとんどありません。
  • コチュジャン:唐辛子を使う、韓国の甘辛い味噌。

ひと目で分かる比較表

3つの調味料を、7つの項目で比べました。比べるのは、炒め物などで使うときの、代表的な入れ方です。

項目豆板醤甜麺醤コチュジャン
発祥中国(四川)中国(北方)韓国
原料唐辛子・そら豆・塩など伝統的には小麦粉・麹・塩。市販品は味噌ベースもある伝統的には米やもち米・メジュ(発酵させた大豆)・唐辛子・塩など。市販品は小麦粉や味噌ベースもある
辛さ強いほとんどないあり(甘辛)
甘さ控えめ強い強め
塩気強い控えめ商品による
入れる工程最初に油で炒める炒めて水分を飛ばし、絡めるそのまま使える
代表料理麻婆豆腐・エビチリ回鍋肉(日本式)・肉味噌ビビンバ

原料も塩気も、商品によって差があります。

甜麺醤は、伝統的には小麦粉で作ると説明されることが多い調味料です。でも僕の家の甜麺醤は、味噌をベースにした商品でした。

塩気の目安として、僕の家の商品の食塩相当量(塩分の目安)を並べます。

僕の家の商品|食塩相当量・100gあたり
  • 豆板醤:13.4g
  • 甜麺醤:5.5g

コチュジャンにも、食塩を含む商品があります。買うときは、ラベルの原材料と食塩相当量を見てください。

味より「何のために入れるか」で選ぶ

比較表を見ると、辛い、甘いの違いが目につきます。でも、使い分けの決め手は味ではありません。

違うのは、どの工程で、何のために入れるかです。

僕が厨房で豆板醤を使うときは、弱火で、にんにくや生姜と一緒に炒めていました。香りと色を、油に移すためです。

賄いの肉味噌では、甜麺醤を醤油・砂糖と一緒に、汁気が消えるまで炒めていました。水分を飛ばして、ひき肉に絡めるためです。

コチュジャンは、現場では使っていません。ビビンバ丼にのせて食べたことはあります。炒めなくても使える調味料です。

味の違いより、入れる工程と目的で使い分ける

  • 豆板醤:香りと色を油に移す
  • 甜麺醤:水分を飛ばして絡める
  • コチュジャン:そのまま使える
かーべ
かーべ

どれも似たような味噌に見えるけど、結局どこが違うの?

ちゃーりー
ちゃーりー

入れるタイミングが違うんだ。豆板醤は最初に炒めて、甜麺醤は炒めて水分を飛ばすよ

なかでも豆板醤は、炒め方で香りが変わる調味料です。まずは、豆板醤から見ていきましょう。

豆板醤は香りを油に移す調味料

僕の家の豆板醤。神戸物産が輸入する中国産の四川豆板醤180g

豆板醤は、辛味を足す調味料です。でも、先に油で炒めると、香りと色が料理に生きてきます。

豆板醤とは

豆板醤は、そら豆と唐辛子で作る、辛味の強い発酵調味料です。麻婆豆腐やエビチリの辛味づけに使います。

四川省の郫県(ピーシェン)で作られる豆板醤は、長く熟成させたものが多いとされています。

商品ごとに、原材料は違います。僕の家の豆板醤のラベルを見てみましょう。

豆板醤の原材料表示。塩蔵唐辛子、そら豆みそ、枝豆みそ、八角などの香辛料が入っている
僕の家の豆板醤|原材料
  • 塩蔵唐辛子(塩漬けにした唐辛子)
  • そら豆みそ、枝豆みそ
  • 八角(スターアニス)、シナモン、陳皮(ミカンの皮を干したもの)、クローブ、山椒
  • 調味料(アミノ酸等)、酸味料、パプリカ色素

香辛料やパプリカ色素が入っているかどうかも、商品によって違います。ラベルには、時期によって色や辛さ、濃度が変わることがあるとも書かれていました。

買うときは、原材料を見てくださいね。

原材料がシンプルな豆板醤なら、ユウキ食品の四川豆板醤があります。辛味がしっかりした商品なので、少なめから使ってみてください。

そら豆と唐辛子で作る、辛みの強い発酵調味料。油で炒めると香りが立ち、麻婆豆腐やエビチリなどの辛味づけに使える500g瓶。
【PR】

なぜ油で炒めるのか

豆板醤を弱火でにんにく・生姜と炒めると、辛味成分や赤い色素が油に移り、料理全体に香りと色が広がる流れを示した図

僕は豆板醤を入れるとき、弱火にして、にんにくや生姜と一緒に炒めていました。油は、いつもより少し多めです。

狙いは、香りと色を油に移すことです。唐辛子の辛味成分や赤い色素は、油に溶けやすい性質があります。香りの成分にも、油になじみやすいものがあると言われています。

豆板醤は、香りと色を油に移す調味料です。油に移った香りと色は、料理全体に広がりやすくなります。

火は弱くします。豆板醤は焦げやすいとされているからです。

料理長
料理長

豆板醤を炒めるときの油は、いつもよりほんの少し多めにするんだ

炒め上がりは音・色・香りで見る

豆板醤を油に入れた直後(左)と、油がオレンジ〜赤に色づいた炒め上がり(右)を並べたイメージ

炒め上がりは、時間ではなく音・色・香りで見ます。鍋の大きさや火力は、家ごとに違うからです。

中国の研究では、郫県豆板醤を炒める時間で香りが変わると報告されています。長く炒めるほど、辛い香りが弱まったそうです(出典:四川旅游学院の研究(中国語))。

僕が見ている目安を、表にまとめました。

入れた直後炒め上がり炒めすぎ
音ジュワッと泡立つ音音が小さく、静かになるパチパチと乾いた音が続く
色油は透明に近い油がオレンジ〜赤に色づく豆板醤が黒っぽくなる
香り塩辛く、生っぽい匂いにんにくと混ざった香ばしい辛い香り焦げた苦い匂い

音が静かになり、油が赤く色づき、香ばしい香りが立ったら、炒め上がりです。次の具材や調味料を入れてください。

炒めすぎると、辛い香りが弱まるとされています。苦い匂いがしたら、焦がしてしまったサインです。

入れた直後は、油がはねることがあります。鍋から腕を少し離して、混ぜてください。

僕は豆板醤を入れすぎて、辛くなりすぎたことがあります。

辛さは、豆板醤の量で大きく変わります。足すことはできても、引くことはできません。

まずは少なめに入れて、味見をしながら足してください。

豆板醤は、油の中で香りを引き出す調味料です。同じ醤でも、甜麺醤は炒める目的が違います。甘みの強い醤は、水分を飛ばして絡めるために炒めます。

甜麺醤は水分を飛ばして絡める

僕の家の甜麺醤。ユウキ食品の甜面醤220g

甜麺醤も、炒めて使うことが多い醤です。でも、豆板醤とは炒める目的が違います。

甜麺醤とは

甜麺醤(テンメンジャン)は、甘みの強い中華の味噌です。辛味はほとんどありません。北京ダックのつけだれのように、加熱せずに使うこともあります。

名前の「甜」は甘い、「麺」は小麦粉を指します。

伝統的には、小麦粉に麹と塩を加えて作ると説明されることが多い調味料です。でも、日本で売られている商品には、味噌をベースにしたものもあります。

甜麺醤の原材料表示。味噌・砂糖・植物油脂・醤油で作られている

僕の家の甜麺醤のラベルと、伝統的な説明を並べました。

主な原料
伝統的な説明小麦粉・麹・塩
僕の家の甜麺醤(日本の市販品)味噌(国内製造)・砂糖・植物油脂・醤油

僕の家の甜麺醤には、辛味の原料が入っていません。辛味を足したいときは、豆板醤を別に使います。

表で紹介したのは、ユウキ食品の甜面醤です。500gの大きいサイズも、原材料は同じ表示です。

甘みとコクの強い、中華の甘みそ。肉味噌・回鍋肉・炒め物の味の土台に使える、家庭でも使い切りやすい500g瓶。
【PR】

醤爆は最初に甜麺醤を炒める

甜麺醤を炒める調理法に、醤爆(ジャンバオ)があります。

醤爆(ジャンバオ)とは

甜麺醤や黄醤(大豆で作る中華の味噌)などの醤を先に炒め、具材に絡める炒め方です。京醤肉絲(豚肉の細切りを甜麺醤で炒めた北京料理)や、醤爆鶏丁(鶏肉のさいの目切りを醤で炒めた料理)が代表です。

料理名の「絲」は細切り、「丁」はさいの目切りを表しています。切り方の名前は、中華料理の切り方一覧|7種類の名前と火入れの関係を元中華料理人が解説でまとめています。

甜麺醤を先に炒めて鶏肉のさいの目切りに絡めた、醤爆鶏丁のイメージ

僕は、ホテルの賄いで醤爆鶏丁を作っていました。先輩に教わった作り方です。

料理長
料理長

醤爆は、最初に甜麺醤を炒めるんだ。砂糖と、にんにく、生姜も一緒にね

先に炒める理由は、教わっていません。調べてみると、水分を飛ばす、粘りを出して具材に絡める、香りを出す、と説明されることが多いようです。

なかでも、使い方の軸になるのは水分です。甜麺醤は、水分を飛ばして絡める調味料です。

合わせた醤の量にも、目安があります。醤爆鶏丁のレシピの一例では、下ごしらえした鶏肉の体積の1/4〜1/5とされています。少なすぎると具材を包めず、多すぎると、べたっと重くなると説明されています(出典:深圳本地宝(中国語))。

音が静かになったら炒め上がり

砂糖・にんにく・生姜と一緒に炒め、水分が飛んでつやが出た甜麺醤のイメージ

甜麺醤を入れた直後は、ザーッと大きな音がします。炒めていくと、音が小さくなって、静かになります。

ザーッという音が静かになったら、炒め上がりです。具材を入れるのは、そのあとです。

音が小さくなるのは、水分が減ってきたからだと考えられます。

甜麺醤には、糖分が入っています。僕の家の商品も、砂糖入りです。糖分を含む醤は、火が強いと焦げやすいとされています。焦げそうなときは、火を少し落としてください。

肉味噌は汁気が消えるまで炒め切る

醤油・甜麺醤・砂糖で、汁気が消えるまで炒め切った炸醤

賄いの肉味噌も、同じ考え方です。

厨房では、醤油・甜麺醤・砂糖で作る肉味噌を、炸醤(ザージャン)と呼んでいました。僕は賄いで、炸醤を作っていました。

炸醤の比率:醤油1:甜麺醤1:砂糖1

ひき肉に水分が残ったまま止めると、水っぽくぼやけます。汁気が消えるまで炒め切ることが、炸醤のコツです。

炒め終わりは、鍋底を見てください。汁気が残っていなければ、炒め切れています。

醤爆でも肉味噌でも、考え方は同じです。甜麺醤は、水分を飛ばしてから絡めます。

炸醤の作り方と、炒め終わりの見極めは、こちらでくわしく解説しています。

担々麺の肉味噌は「醤油1:甜麺醤1:砂糖1」|元中華料理人が賄いで作っていた炸醤の作り方

一方、炒めなくても、そのまま使える甘辛い味噌もあります。韓国のコチュジャンです。

コチュジャンはそのまま使える甘辛味噌

器に入った、濃い赤茶色のコチュジャンのイメージ

コチュジャンは、豆板醤や甜麺醤と並べられることが多い調味料です。でも、使い方の考え方は少し違います。

コチュジャンとは

コチュジャンは、唐辛子を使う韓国の甘辛い発酵味噌です。ビビンバやトッポッキ、チゲなどで使われます。

原料も、商品によって違います。僕の家にコチュジャンの実物はないので、原料は一般的な説明です。

コチュジャンの原料|商品で違う
  • 伝統的な説明:米やもち米、メジュ(発酵させた大豆)、唐辛子、塩など
  • 市販品:小麦粉や味噌をベースにした商品もある
  • 塩気:食塩を含む商品もある

原料も塩気も、商品によって差があります。ラベルの原材料を見て選んでください。

中華の醤との違い

豆板醤と甜麺醤は、鍋で炒めて使います。豆板醤は香りと色を油に移し、甜麺醤は水分を飛ばして絡めます。

コチュジャンは、現場では使っていません。僕は、ビビンバ丼にのせて食べたことがあります。

混ぜる前のビビンバ丼の上に、炒めずにそのままのせたコチュジャンのイメージ

食べたときの感想を、そのまま書きます。

口に入れるとまず甘さがきて、辛さはあとから追いかけてくる感じでした。豆板醤のような塩辛さや発酵の強い香りより、甘辛くてまろやかな印象です。炒めなくても、そのままでおいしく食べられる味だと感じました。

コチュジャンは、そのまま使える甘辛い味噌です。

炒め物に使うレシピもあるようですが、僕は試したことがありません。甘みの強い醤は、炒めると焦げやすいとされています。炒めるなら、火加減に気をつけてください。

かーべ
かーべ

コチュジャンも、豆板醤みたいに炒めるの?

ちゃーりー
ちゃーりー

僕は、のせて使ったことしかないんだ

炒めて香りを移す豆板醤。炒めて水分を飛ばす甜麺醤。そのまま使えるコチュジャン。

役割が分かると、料理の中での組み合わせも見えてきます。

料理別の使い方と組み合わせ

麻婆豆腐と日本式の回鍋肉で、豆板醤を最初に炒め、甜麺醤や炸醤はあとから加える順番を示した図

ここまでの違いを、実際の料理に当てはめます。1つの料理で、複数の醤を使うこともあります。

麻婆豆腐は2つの醤で役割分担

豆板醤を炒めてから炸醤を合わせて作った麻婆豆腐

僕がいた厨房の麻婆豆腐は、豆板醤で香りと辛味、炸醤でコクを出していました。炸醤を使わない作り方も、もちろんあります。

豆板醤は、にんにくや生姜と一緒に、弱火で炒めます。香りと辛味を、油に移すためです。

炸醤は、そのあとに合わせます。ひき肉の旨味と、甜麺醤のコクが加わります。

麻婆豆腐|2つの醤の役割
  • 豆板醤:香りと辛味
  • 炸醤(甜麺醤で作る肉味噌):コク

2つの醤を入れても、役割は別です。入れる工程も、別になります。

ホテルの厨房でも、同じ使い分けをしていました。

料理長
料理長

炸醤はまとめて仕込んでおくんだ。麻婆豆腐の注文が入ったら、豆板醤を炒め始めるよ

炸醤には、辛味も香味野菜も入れずに仕込みます。あとから足せば、料理ごとに味を変えられるからです。

炸醤を使った麻婆豆腐の作り方は、こちらで紹介しています。

本格麻婆豆腐の作り方|「油を食べる料理」は焼いて仕上げる

回鍋肉は本場と日本式で軸が変わる

甜麺醤を合わせ調味料にして回しかけた、日本式の回鍋肉
日本式(甜麺醤あり)の回鍋肉

回鍋肉は、本場と日本式で、味の軸が変わります。

本場の四川では、郫県の豆板醤が味の軸とされています。そこに、豆豉(トウチ)や甜麺醤を少し合わせる作り方が多いようです。豆豉は、大豆や黒豆を発酵させた、塩気とコクの強い調味料です。

日本式では、甜麺醤が軸になります。

本場四川式:豆板醤が軸(豆豉や甜麺醤を少し合わせる)
日本式:甜麺醤が軸

日本式の回鍋肉にも、豆板醤を使います。

作り方は、豆板醤を弱火で炒めて、香りを油に移すところから始めます。甜麺醤は、合わせ調味料にして、あとから回しかけます。

同じ料理の中でも、豆板醤と甜麺醤は、入れる工程が違います。

甜麺醤あり・なし、2つの回鍋肉の作り方は、こちらで紹介しています。

回鍋肉はなぜ「茹でる」のか?本来の意味とプロの黄金比レシピ【本気シリーズ第3弾】

料理別の早見表

料理ごとの使い方を、表にまとめました。入れる工程に注目してください。

料理使う醤入れる工程と役割
麻婆豆腐豆板醤+炸醤豆板醤を弱火で炒めて香りと辛味を出し、炸醤を合わせてコクを足す
回鍋肉(日本式)豆板醤+甜麺醤豆板醤を弱火で炒めて香りを移し、甜麺醤の合わせ調味料を回しかけて絡める
エビチリ豆板醤ケチャップと一緒に弱火で炒めて、香りと赤い色を油に移す
担々麺炸醤炒め直さず、麺にのせる。辛さは、ラー油の量で決める
醤爆鶏丁甜麺醤最初に砂糖・にんにく・生姜と炒めて、水分を飛ばし、具材に絡める
ビビンバコチュジャン炒めずに、ご飯にのせて使う

エビチリの作り方は、【本格エビチリ】下処理が決め手!お店の味を再現するプロ直伝の作り方で解説しています。
担々麺のスープは、本格担々麺のスープの作り方|芝麻醤と醤油は「3:2」。タレを鶏ガラスープで割るだけでまとめました。

迷ったときは、味ではなく、入れる工程を見てください。

手元にない醤があるときも、工程と役割から、代わりに入れるものを考えられます。

代用は「何を失うか」で決める

僕の家の豆板醤(左)と甜麺醤(右)を小皿に取って並べた様子。色も質感も違い、入れ替えると料理の味の方向が変わる
かーべ
かーべ

レシピに甜麺醤って書いてあるのに、豆板醤しかない……

醤が手元にないとき、代わりに入れるものを考える場面は、よくあります。

代用は、味が似ているかではなく、何を失うかで決めます。

豆板醤と甜麺醤は入れ替えられない

豆板醤の代わりに甜麺醤を使うと、辛味がなくなります。僕の家の甜麺醤には、辛味の原料が入っていないからです。

逆に、甜麺醤の代わりに豆板醤を使うと、甜麺醤の甘みとコクが抜けて、辛い味になります。僕の家の豆板醤には、砂糖が入っていません。

入れ替えたときに、失うものと加わるものを、表にまとめました。

入れ替え失うもの加わるもの
豆板醤→甜麺醤辛味、豆板醤の香り甘み、コク
甜麺醤→豆板醤甘み、コク辛味、塩気

どちらを入れ替えても、料理の味の方向が変わります。

コチュジャンで代用すると甘くなる

僕が食べたときは、コチュジャンは甘さが先に立つ味でした。豆板醤の代わりに使うと、料理の味は、甘辛い方向に寄ると考えられます。僕は、コチュジャンで代用したことがありません。

では、コチュジャンがないときは、どうすればよいのでしょうか。豆板醤に、味噌・砂糖・醤油を混ぜる方法が、一般的に紹介されています。豆板醤で辛味を、味噌と砂糖で甘みとコクを補う考え方です。

一例を紹介します。

コチュジャンの代用|一例
  • 味噌:大さじ1
  • 砂糖:小さじ2
  • 醤油:小さじ1
  • 豆板醤:小さじ1/2

材料をよく混ぜて使います。辛さは、豆板醤の量で調整します(出典:DELISH KITCHEN)。

同じ味にはなりません。ただ、料理を成り立たせる応急の方法としては使えます。

甜麺醤の代用は味噌が定番

甜麺醤がないときは、味噌に砂糖などを足して、弱火で練る方法が、よく紹介されています。

僕の家の甜麺醤の原材料は、味噌・砂糖・植物油脂・醤油です。味噌をベースにした商品なので、味噌に砂糖などを足す考え方は、原材料の面で近いと言えます。

僕は、味噌で代用したことがありません。おすすめとしてではなく、一般的な方法として紹介します。

甜麺醤の代用|一例
  • 味噌:大さじ1
  • 醤油:小さじ1/2
  • 砂糖:小さじ1/4
  • ごま油:小さじ1/2(練り上がったあとに加える)

味噌・醤油・砂糖を合わせて、弱火で練ります。ごま油は、最後に加えると香りが立つとされています(出典:DELISH KITCHEN)。

味噌の甘さや塩気は、商品で違います。味を見ながら整えてください。

糖分の少ない辛口の赤味噌や八丁味噌は、砂糖を多めにするとされています。赤味噌は焦げやすいため、水や酒を少し入れてから練ると、焦げにくいと紹介されています。

代用は、あくまで応急の方法です。次に作るときは、本物の醤を用意して、工程の違いを味で確かめてみてください。

よくある質問

3つの調味料を使うときに、迷いやすい点を6つまとめました。

Q
豆板醤と甜麺醤は、一緒に使っていいですか?
A

一緒に使う料理は、あります。麻婆豆腐や回鍋肉が、そうです。

ただ、入れる工程は別にします。豆板醤は、弱火で炒めて、香りと色を油に移します。甜麺醤は、炸醤や合わせ調味料にして、あとから加えます。

僕が賄いで作っていた麻婆豆腐も、豆板醤を炒めてから、炸醤を合わせていました。

Q
辛くない豆板醤は、ありますか?
A

日本で売られている豆板醤の多くは、唐辛子入りです。僕の家の商品のラベルにも、「辛い物が苦手な方はご注意ください」と書かれています。

辛さは、量で調整します。少なめに入れて、味見をしながら足してください。僕も、入れすぎて辛くなりすぎたことがあります。

同じ商品でも、時期によって辛さが変わる場合があります。

Q
甜麺醤は、辛いですか?
A

辛味はほとんどありません。僕の家の甜麺醤も、原材料は味噌・砂糖・植物油脂・醤油です。

辛味を足したいときは、豆板醤を別に使ってください。

Q
開封後は、どう保存しますか?
A

保存方法は、商品の表示に従ってください。商品によって、書かれている方法が違うからです。

僕の家の2つは、どちらも開封後は冷蔵です。豆板醤は「開封後要冷蔵」、甜麺醤は「冷蔵(10℃以下)で保存し、早めに使う」と書かれています。

豆板醤のラベルには、ふたをしっかり閉めて、立てて保管するとも書かれています。

コチュジャンは、僕の家に実物がありません。商品の表示を確認してください。

Q
甜麺醤に白い粒が出てきました。カビですか?
A

僕の家の甜麺醤のラベルには、白い結晶が生じることがあると書かれています。味噌由来のチロシンで、品質には問題ないという説明です。

豆板醤のラベルにも、黒い斑点や白い結晶は原料由来で、品質に問題ないと書かれています。

見た目やにおいが気になるときは、商品の表示や、メーカーの案内を確認してください。

Q
余った瓶は、どう使い切りますか?
A

甜麺醤は、炸醤にすると使い切りやすいです。醤油1:甜麺醤1:砂糖1で、ひき肉を炒め切ります。担々麺にも、麻婆豆腐にも使えます。

炸醤の保存は、冷蔵なら2〜3日、冷凍なら2〜3週間以内が目安です。

豆板醤は、麻婆豆腐やエビチリ、回鍋肉に使えます。炒めて香りと色を油に移す使い方は、料理が変わっても同じです。

まとめ

小皿に並べた豆板醤・甜麺醤・コチュジャンのイメージ。入れる工程と目的で使い分ける3つの醤

豆板醤・甜麺醤・コチュジャンは、味だけでなく、入れる工程と目的が違います。押さえることは、3つです。

3つの醤の使い分け
  • 豆板醤:弱火で炒めて、香りと色を油に移す
  • 甜麺醤:炒めて水分を飛ばし、具材に絡める
  • コチュジャン:そのまま使える

味の違いより、入れる工程と目的で使い分けます。

工程が分かると、レシピに書かれた醤を見て、鍋に入れる順番に迷わなくなります。代用も、何を失うかで考えられます。

麻婆豆腐、回鍋肉、肉味噌。どの料理も、醤を入れる工程に注目して作ってみてください。

ちゃーりー
ちゃーりー

次に麻婆豆腐を作るときは、豆板醤を入れたあとの音を聞いてみてね

冷蔵庫で眠っている瓶を、1つ出してみてください。鍋に入れる工程から、決めてみましょう。

■ 本格中華を極める3つのロードマップ

ここまで読んでいただきありがとうございます!
あなたの「もっと上達したい」に合わせて、3つの道を用意しました。

①【🎓理論】失敗しない理屈を学びたい

②【😋実践】プロの味を今すぐ再現したい

③【🔪道具】形から入って、料理の質を底上げする

コメント