こんにちは、ちゃーりーです。
これまで中国料理店で調理師として働き、たくさんの中華鍋を振ってきました。
「プロと同じ四川鍋(両手鍋)に憧れるけど、家庭で使いこなせるかな?」
「北京鍋(片手鍋)と迷っているけど、結局何が違うの?」
こんなふうに悩んだことはありませんか。
実際、プロの厨房は少し特殊な世界です。僕がこれまで働いてきたお店では、どの現場でも主役は「四川鍋」でした。
重厚な安定感、お玉を駆使してダイナミックに鍋を煽る。あの独特のスタイルに憧れたことがある方も多いと思います。
でも、現場と家庭、両方のキッチンを経験してきて思うことがあります。
それは、四川鍋にはプロの世界ならではの選び方があるということです。
実は、なんとなく選ぶと「重くて使いにくい…」と後悔してしまう鍋でもあるんです。
この記事では、
- 四川鍋とはどんな鍋なのか
- 北京鍋との決定的な違い
- プロが重視する種類と選び方
- 家庭でも扱いやすいおすすめ四川鍋3選
これらを、現役調理師の視点でわかりやすく解説します。
読み終えるころには、四川鍋の本当の魅力がわかり、「これこそ自分が探していた鍋だ」と自信を持って選べるようになります。
結論、四川鍋は「道具を操る楽しさ」を求める本格派にとって、最高の相棒になる鍋 です。
四川鍋とは?|プロが両手鍋を使う理由
中華料理店の厨房を覗くと、多くの職人が両手に取っ手のついた「四川鍋」を使っています。僕がこれまで働いてきた現場でも、主役はいつもこの四川鍋でした。

なんで北京鍋ではなく、あえて重い四川鍋が選ばれるんだろう

四川鍋が使われているのには、プロの厨房ならではの理由があるよ。一緒に見ていこう
四川鍋(しせんなべ)を探していると、必ずといっていいほど広東鍋(かんとんなべ)という名前も目にします。初めて選ぶ方は「何が違うの?」と迷うかもしれません。
結論、四川鍋と広東鍋は呼び方が違うだけで、どちらも同じ「両手鍋タイプの中華鍋」を指します。
五徳にはまる圧倒的な安定感

プロの厨房にある「中華レンジ」の五徳は、丸底の四川鍋がすっぽり収まる専用設計です。鍋が五徳にはまるため、手でバランスを取る必要がありません。
大人数の炒め物や、大量の油やスープを扱う調理でも、鍋はピタッと安定します。両手が自由に使えるからこそ、強い火に集中でき、無駄のない動きで仕上げられます。

家のコンロって、プロの厨房みたいな五徳じゃないよね。
丸底の四川鍋ってちゃんと使えるの?
そこで便利なのが、後付けできる中華五徳です。
コンロに置くだけで、丸底がしっかりはまり、グラつきが大きく減ります。鍋を無理に支える必要がなくなり、安心して調理に集中できるようになります。
四川鍋を本気で使うなら、あると格段に扱いやすくなるアイテムです。
「家庭のコンロでうまく扱えるか不安」
「本格さより扱いやすさを重視したい」
そんな方には、片手鍋タイプの北京鍋という選択肢もあります。
家庭での使い勝手を優先したい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
お玉で支える盛り付け動作

四川鍋は、食材が入ると一気に重くなります。

厨房では出来上がった料理を盛り付け台まで運ぶとき、右手で持っているお玉を、鍋の取っ手に引っ掛けて支えにするよ
左手で片方の取っ手を持ち、右手のお玉を反対側に掛けます。両側を同時に支えることで、重い鍋でも安定して持ち上げられます。
そのまま盛り付け台に鍋を置き、そこから皿に盛り付けていきます。量がそれほど多くなければ、鍋を持ったまま盛りつけすることもあります。
こうして重い四川鍋を安全に扱っています。
四川鍋の使い方|サイズとお玉が9割

四川鍋は、鍋だけで使うものではありません。中華お玉と一緒に使ってこそ、本来の使い心地が出ます。

お玉は取り分けるためだけでなく、鍋を動かすための道具でもあるよ
片手で「あおる」北京鍋に対し、四川鍋は「鍋の前後の動き」と「お玉の押し」を連動させて食材を回転させます。
左手で鍋を前後に動かし、右手のお玉で食材を底からグッと押し出す。鍋を高く振り上げなくても、食材が大きく入れ替わります。
重い鍋を無理にあおらなくてもいいんです。お玉で食材を動かすのが、四川鍋の基本です。

四川鍋のサイズ選びは「お玉との相性」で決めるといいよ
この動きを前提にすると、サイズ選びはとても重要です。
四川鍋は、家庭用なら 27〜30cm が扱いやすいです。
それ以上になると、お玉で押すときの負荷が強くなり、手首への負担が大きくなります。
そして忘れてはいけないのが、お玉のサイズです。鍋が大きいのにお玉が小さいと、食材をしっかり押せません。逆に大きすぎても扱いづらいです。
鍋とお玉はセットで選びましょう。
これが失敗しないポイントです。
| 四川鍋の直径 | おすすめのお玉の規格 | お玉の直径目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 27cm | 小 | 約11cm | 1〜2人前に最適。女性でも扱いやすい組み合わせです。 |
| 30cm | 中 | 約12cm | 3〜4人前の基本サイズ。バランスが良い組み合わせです。 |
| 33cm | 大 | 約13cm | 4人前以上に。鍋も重くなるため、少し腕力が必要です。 |

僕のおすすめは、四川鍋の場合[直径30cm、中サイズの中華お玉]の組み合わせだよ
【2026年最新】現役調理師おすすめ四川鍋3選
これまで厨房で四川鍋を使ってきた僕が、「家庭でもプロ仕様の道具を使いこなしたい」という方に向けて、本当に使える3つを厳選しました。
四川鍋は、お玉とセットで選んでこそ扱いやすくなります。そこで今回は、鍋のサイズに合った中華お玉もあわせて紹介します。
山田工業所|鉄 打出四川鍋(30cm)
僕がこれまで働いてきた現場でも、定番として使われ続けていたのが、山田工業所の「打出し中華鍋」です。山田工業所は、日本で唯一、職人の手作業による「打出し式」で中華鍋やフライパンを製造しているメーカーです。
職人が数千回叩いて成形することで生まれる、圧倒的な頑丈さ。
使い込むほどに育つ油なじみの良さ。
強い火力を受けても歪みにくく、鍋全体でしっかり熱を受け止めます。鍋肌に自然と油が回り、食材がスッと滑る感覚は、まさにプロ仕様です。
「本物の道具を育てたい」
そう思うなら、まず間違いない一枚です。
- 現場と同じ“本物”を手にしたい本格志向の方
- 一生かけて、自分だけの黒光りする鍋を育てたい方
- ホテルの厨房のような「本場の臨場感」を自宅で再現したい方
四川鍋をしっかり使いこなすなら、30cmの鍋 × 中サイズ(約12cm)のお玉 の組み合わせがバランス抜群です。
鉄鍋は最初の「空焼き」が必須
サビ止めのニスを焼き切る作業が必要です。このニスはそのまま焼くとドロドロに溶けて、料理に嫌な臭いがついてしまいます。なので最初に煙が出るまで焼き切って、鉄をむき出しにします。
家庭用コンロでは安全センサーが作動しやすく、完全に焼き切るまでやや時間がかかる場合があります。

最初は少し手間がかかるけど、空焼きを乗り越えたら、あとは一生付き合える相棒になるよ
空焼きについては、一生モノの相棒に!中華鍋の選び方・種類・メンテナンス方法【完全ガイド】で詳しく解説しています。
カンダ|鉄プレス四川鍋(30cm)
業務用厨房機器の老舗「カンダ」の四川鍋です。現場での普及率が非常に高く、実用道具としての信頼は確かなものです。
金型で成形するプレス式は、打出し式に比べると歪みが出やすいという弱点があります。でも、家庭の火力ではプロの現場ほど高温にならないので、歪みを気にする必要はほとんどありません。その代わり、圧倒的なコストパフォーマンスで、まずはこの鍋で鉄鍋の基本をしっかり学べます。
- 予算を抑えて、四川鍋の「お玉さばき」を練習したい方
- 家庭の火力で、気軽に鉄鍋をガシガシ使いたい方
- プロと同じ「カンダ」のブランドで道具を揃えたい方
カンダが販売している上位モデルの「打出し四川鍋」は、山田工業所が製造を手掛けていることが多いです。

ホテルやレストランの備品ルートでは「カンダ」ブランドとして納品されることも多いよ
空焼きが必須
こちらもサビ止めのニスを焼き切る作業が必要です。家庭のコンロだとセンサーで火が弱まるため、少し根気がいります。

空焼きはちょっと面倒だよね。でも、ここをちゃんとやるから鉄鍋は育つんだ。気づいたら、きっと手放せなくなるよ
カンダの四川鍋を使うなら、お玉も同じ「カンダ」で揃えると、鍋の感覚にぴったり合い、扱いやすさがぐっと上がります。
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遠藤商事(TKG)|スーパーエンボス 鉄プレス中華鍋(両手 30cm)
カンダと並んでプロの現場でよく目にするのが、厨房用品の総合卸大手「遠藤商事(TKG)」の鉄製中華鍋です。
このモデルは表面にスーパーエンボス加工が施されており、食材との接地面が点で当たる構造になっています。そのため焦げ付きにくく、鉄鍋にまだ慣れていない方でも扱いやすい一枚です。
スーパーエンボス加工とは、金属表面に無数の細かな凹凸を浮き立たせた特殊加工のことです。この凸凹があるおかげで、素材と鍋の間に絶えず「油」と「水分」が回り、じかに接触する面積が減る仕組みになっています。
僕がいた厨房ではこのエンボス加工モデルは使っていませんでした。プロの厨房は火力が強く、鍋の扱いにも慣れているため、エンボス加工が必須というわけではありません。
でも、家庭の火力やキッチン環境では話が別です。
無数の凹凸が油と食材の間にうまく入り込み、「スーパーエンボス加工」がくっつきを抑えてくれます。
鉄鍋特有のこびりつくストレスを、技術ではなく道具の力でカバーしてくれます。それがこの鍋のいちばんの強みです。
- 鉄鍋の「こびりつき」で、過去に挫折したことがある方
- チャーハンや卵料理を、最初から失敗しにくく仕上げたい方
- プロ仕様の四川鍋を、より現代的で扱いやすい形で楽しみたい方
事前の「空焼き」が不要なモデルが多い
サビ止めにシリコン塗装が施されていることが多く、その場合は届いてすぐに使い始められます。取扱説明書を確認しましょう。

空焼きしなくていいのは、嬉しいポイントだね
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四川鍋の使い始めと手入れ|長く使うための基本
四川鍋を「一生モノの相棒」に育てるために、最低限知っておきたい基本は3つだけです。
使い始めの「空焼き」と「油ならし」

多くの鉄鍋には、サビ止めの塗料が塗られています。使い始める前には、この塗料を火で完全に焼き切る「空焼き」作業が必要です。
ただし、すべての鍋に必要なわけではありません。
例えば、山田工業所 やカンダの一般的な鉄鍋は空焼きが必要なことが多いですが、リバーライト の「極 JAPAN」や、遠藤商事 のエンボス加工モデルは不要な場合が多いです。
必ず付属の説明書を確認しましょう。
空焼きが終わったら、油を鍋全体にしっかりなじませる「油ならし」を行い、油膜を作ってあげます。このひと手間が、こびりつきを防ぐ土台になります。
洗剤はNG?|知っておきたい洗い方のポイント

「鉄鍋は洗剤で洗ってはいけない」と聞いたことがあるかもしれません。
基本はお湯と亀の子タワシや竹ササラで洗います。
でも実は、ホテルの厨房では営業終了後に洗剤を使ってしっかり洗っていました。
匂い残りや、古い油の酸化を防ぐためです。
大切なのは、洗剤を使うかどうかではなく、その後のひと手間です。
「完全乾燥」がいちばん大切

洗剤を使っても使わなくても、いちばん重要なのはその後の乾燥です。
普段の調理後は水分をしっかり拭き取り、軽く火にかけて乾かすだけでも十分です。そして、一日の終わりにはきちんと火にかけて水分を一滴残らず飛ばし、完全乾燥させておきましょう。
水分こそが、鉄鍋最大の敵であるサビの原因です。その日の最後の片付けのタイミングでしっかり乾かしましょう。
これを習慣にするだけで、鍋はぐっと長持ちします。
さらに詳しいメンテナンス術は、こちらの完全ガイドにまとめています。
毎日現場で鉄鍋を使い続ける中で積み重ねてきた知識を、できるだけ分かりやすく詰め込みました。鉄鍋を一生モノに育てたい方は、ぜひ一度のぞいてみてください。
まとめ
ここまで現役調理師の視点で、四川鍋の魅力と選び方をお伝えしてきました。
最後に、選び方のポイントをもう一度振り返ります。
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四川鍋は、最初は少し重く、手入れも手間に感じるかもしれません。でも、油が馴染んで黒光りし始めたとき、その鍋で作る中華料理は間違いなく「プロの味」に変わっています。
まずは相棒となる一本を手に入れて、一生モノの鉄鍋ライフをスタートさせてください!
このサイトでは、さまざまな中華料理の作り方やコツも解説しています。ぜひ気になる一品から試してみてください。
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