家庭でも、お店で食べるようなチャーハンを作りたい。そう思ったことはないですか?
強火にして、鍋を振っても、なぜかうまくいかない。
「パラパラにならない=失敗」と感じている人も多いです。
多くの人は、炒飯づくりで「パラパラにすること」だけを正解だと考えがちです。
ですが、そもそもパラパラ炒飯が絶対の正解なのでしょうか。
実際に僕が働いてきた高級中華のレストランの料理長は、あえてパラパラに作っていないと言っていました。

日本人は甘みがあり、粘り気のある白ご飯に馴染みがあるからね
炒飯の主役は、具材でも調味料でもなくコメです。
日本のコメは甘みと粘りが強く、白ごはんとしては最高ですが、この粘りがあるからこそ、炒飯にするのは難しいです。一方で、日本人の中には多少粘りがあったほうが好みという人も多いのではないでしょうか?
個人的にも、ベチャベチャの炒飯は嫌ですが、【炒飯はパラパラであればあるほど美味しい】とは思わないです。
この記事では、その考え方をベースに、家庭で無理なく作れる「本気の炒飯」を解説していきます。
パラパラに寄せる方法だけでなく、自分の好みに合わせて仕上げを調整できる考え方が身につきます。
結論として、家庭においても、プロにおいても炒飯の正解は一つではありません。いつも食卓に並ぶ日本のコメを理解することが、いちばんの近道です。
プロの炒飯の仕込み

注文が入ったら炊飯器からご飯を取り出して炒めていくんじゃないんですか??

僕のお店では、炒飯専用ご飯を炊いているよ

実際にどんな流れで炒飯を作っているのか見ていこう!
ホテルでは炒飯専用ご飯を炊いている
炊く時は、水を規定量より少し少なめにして炊飯します。こうすることで固めに炊けるので後でほぐれやすくなります。
さらに油を適量回し入れます。量は特に決まっていませんが、1合に対して大さじ1くらいでいいです。

こうするこで、油で1粒1粒をコーティングできるため、米粒同士がくっつきにくくなるんだ
炊きあがったご飯は、冷めやすいように平たいバットに移し、粗熱を取っていきます。
粗熱がとれたら、冷蔵庫で冷やしていきます。

忙しいときは冷やしている時間なんてないよ

時間がない場合は、そのまま使っても大丈夫!これはホテルのやり方だし、町中華では温かいごはんを使ってると思うよ
冷えたご飯は、手でしっかりほぐしていきます。油でコーティングされていてほぐれやすいので、しっかりほぐしてあげましょう。
これで炒飯米の完成です!
ホテルでは、注文が入ったら炒飯米を人数分取って炒めていきます。家庭でこれをやるのは少し手間ですが、ぜひ試してみてほしいです。
- 水少なめで炊飯
- 油を回し入れて炊飯
- 炊いたご飯は、粗熱取って冷蔵庫で冷やす
- 手でしっかりほぐす
冷蔵庫の冷や飯を使うときのポイント
冷蔵庫のご飯を使って炒飯を作る場合もよくあると思います。僕も冷蔵庫のご飯が溜まってきたなと思ったら炒飯をつくります。一気に在庫消費できるのでいいですよね。
これは炒飯用に炊いたご飯ではないので、冷たいまま使うとダマになりやすいです。そこでぬめりをとるために水で洗うのもおすすめです。
炒飯づくりでご飯がくっついてしまうのは、ぬめりが原因です。水で洗うことでぬめりを落とすことができます。
日本の米は甘みがあって、粘りもあるので炒飯にするのは難しいです。日本のお米の特徴も知ったうえで炒飯を作ると、それだけでワンラン上の炒飯が出来上がります。
- ご飯を水で洗ってから使う
- 日本の米の特徴を理解する
家庭での火力と、鍋の正しい使い方
家庭で鍋を振らなくていい理由

やっぱり料理人が鍋を振っている姿はかっこいいよね。


でも家庭で鍋を振りすぎると美味しい炒飯はできないいんだ
TVなどで炒飯を作っている姿を一度は目にしたことがあると思います。炒飯が宙を舞ってる姿はとても格好いいですよね。しかし、家庭で鍋を振る必要は全くありません。
鍋を振ってしまうと、温度が下がり過ぎてしまいしっかり炒めることができなくなり、結果ベチャベチャの炒飯が出来上がります。中華料理店で、鍋を振る理由は火力が強く焦げやすいためであり、これは家庭には当てはまりません。
どのくらいの火力の違いがあるのか確認してみましょう
| コンロの種類 | 火力の目安 | 家庭用との比較 |
|---|---|---|
| 家庭用コンロ | 約 3.5〜4.2 kW (3,000〜3,600 kcal/h) | 基準 |
| 業務用コンロ | 約 12〜17 kW (10,000〜15,000 kcal/h) | 約3〜4倍 |
| 中華専用バーナー | 約 23〜35 kW 以上 (20,000〜30,000 kcal/h〜) | 約6〜10倍以上 |

こんなに火力が違うんだね!お店の真似をしてもうまくいかないわけだ。
前提が違うんだもんね

家庭だったらすぐに焦げることはないので、一回も振らないでもよし!
家庭の火力ですぐに焦げることはないので、お玉やヘラで、慌てずゆっくり米と卵をほぐしていくようにしましょう。慌ててかき混ぜると米が潰れてしまいます。
火力は常に強火で大丈夫です。また、一気に大量の炒飯を作ると、しっかり炒めきれなくなりベチャベチャになってしまいます。
家庭でも中華鍋をおすすめする理由

中華鍋は重そうだし、使いにくそう

中華鍋のメリットも沢山あるから一緒に見ていこう

中華鍋にも色々な種類があるから自分にあった相棒を探してみよう
なんといっても最大のメリットは、汎用性だと思います。炒・揚・煮・茹・蒸・焼・汁
すべてを1つでこなせます。
家庭に中華鍋1つだけあればどんな料理も作れるということです。中華鍋だから中華料理しか作ってはダメということはありません。実際にホテルの賄では親子丼やパスタやカレーなども作っていました。
中華包丁も1本あればすべての食材に対応できます。
プロの現場でも、使う道具は、基本的に中華鍋と中華包丁だけです。和食や洋食の場合は、色々な種類、サイズの鍋、包丁を用途にあわせて使い分けています。
僕が中華の道に進んだ理由もここにあります。中華鍋や中華包丁にとても魅力を感じたんです。
包丁1本と鍋1つあればどんな料理も作れるってすごいですよね。合理的すぎる、、、。

| メリット | デメリット |
|---|---|
| 水分が飛びやすく、炒め物◯ | 火加減難しい |
| 炒める・揚げる・煮る・茹でるが1つでできる | 収納△ |
| 均一に火が入りやすい | 家庭だと予熱に時間かかる |
| 食材がこぼれにくい | 重いものは扱いづらい |
| 鉄なので永久に使える | 最初は油慣らし必須 |
| 使い込むと愛着が出る | 初期コストはやや高め |
中華鍋の詳しい解説や具体的な使い方については、別記事で詳しく解説予定です。
炒飯は「シンプル」が一番おいしい
味付けは塩胡椒のみ

いつもは鶏ガラスープの素、塩胡椒、醤油を入れてるよ

お店での味付けは、基本的に塩胡椒のみだよ。鶏ガラスープの素は入れなくて大丈夫。
醤油は味をつけるのではなく香り付けの役割なんだ
味付けを塩胡椒のみに絞ることで、卵の甘みとお米の旨味が引き立つ、飽きのこないプロのような味に仕上がります。また具材の味が引き立ちます。
醤油と酒は、一番最後の仕上げの段階で香り付けに鍋肌に垂らしていきます。量は炒飯1人前に対して小さじ1ずつで十分です。

醤油と酒は味付けの目的ではないから少量でいいってことだね

醤油と酒はご飯に直接入れるのではなく、鍋肌に入れるのポイントだよ。ジュッと音がして沸騰するよ。入れたら香りが全体に行き渡るように軽く混ぜあわせよう
最初に卵とご飯を混ぜておくのはおすすめしない
卵とご飯を事前に混ぜておくとパラパラに仕上がると聞いたことがあるかもしれません。。色々なところで僕も見かけます。実際に試したこともありました。
しかしこの方法だと卵の存在感が薄れてしまうのであまりおすすめできないです。
この方法は、卵を先に混ぜることでご飯1粒1粒がコーティングされるためパラパラに仕上がるというものです。しかしその結果、卵が混ざりすぎてしまって卵の香りやフワフワ感がなくなってしまいます。
ここでは炒飯専用ご飯を仕込んでいるので、すでに米粒のコーティングは完了しています。

卵がご飯粒と一体化してしまうので卵が感じられなくなるよ。
卵もボソボソになりがちだよ。
美味しく仕上げるには、卵を均一に行き渡らせるよりも、卵に役割と存在感を持たせることが大切です。

じゃあ卵はどのタイミングで入れるのがいいの?

手順をざっくりまとめたから見てみよう
- 卵を溶く
- 鍋に油をなじませて多めの油を引き、煙が出る直前まで熱する
- 卵を入れ周囲が固まり始めたところで卵の上にご飯をいれる
- 卵とご飯をひっくり返し、卵でご飯を包み込むようにして手早く混ぜ合わせていく
鍋は振らなくていいです。
おたまやヘラでしっかりご飯をほぐしていきます。量が多くて混ぜるのが大変なときはおたまとヘラの二刀流がおすすめです。2つ使うことでこぼさずにしっかり混ぜることができます。
実際に僕の働いていたレストランでも宴会炒飯20人から30人前の炒飯を一気に作るときは、でっかい中華鍋を使い、右手にヘラ、左手におたまを持ち豪快に混ぜていました。
炒飯の調理手順
これまで紹介してきたコツをふまえて、全体像を確認していきましょう
- 中華鍋を強火でしっかり温め、サラダ油を適量入れ鍋全体に油をなじませる。余分な油はオイルポッドに戻す。
- 大さじ2〜3程度のサラダ油を入れ煙が出る直前までしっかり熱する。
- 卵を入れ周囲が固まり始めたところで卵の上にご飯をいれる。
- 卵とご飯をひっくり返し、卵でご飯を包み込むようにして手早く混ぜ合わせていく。
- お玉で、ご飯と卵をほぐしながら強火でしっかり炒めていく。
- ある程度ほぐれてきたらチャーシューやネギなど好きな具を入れさらに炒めていく。
- 塩胡椒で味をつけていく
- 醤油、酒を鍋肌から入れ、香りが全体に行き渡るように混ぜ合わせます。
まとめ
これまで色々なコツを紹介してきました。
- パラパラ炒飯が絶対の正解ではない
- お店では、炒飯専用ご飯を炊いている
- 炒飯専用ご飯は、冷やして手でほぐしてから使うとパラパラになりやすい
- 中華鍋は汎用性が高く家庭でもおすすめ
- 家庭のコンロで鍋を振る必要はない
- 卵とご飯は事前にまぜない。卵に存在感をもたせよう
- 炒飯の味付けは塩コショウのみで十分
- 醤油、酒は香り付けの役割
炒飯というと、「パラパラでなければいけない」と思われがちです。
ですが、実際にはそれが唯一の正解ではありません。
日本のコメは甘みと粘りが強く、白ごはんとしてとて優秀だからこそ、炒飯にするのには、扱いが難しいのかもしれません。
色々なお店で沢山の炒飯を食べてきましたが、全く同じ炒飯は一つもありません。パラパラに仕上げるコツも紹介してきましたが、あまりこだわらず、気楽に炒飯づくりにチャレンジしてもらいたいです。
大切なのは、パラパラにすることではなく、家族や友人に「おいしい」と感じてもらえる仕上がりにすることだと思います。
自分の作った料理を、家族や恋人など大切な人に「おいしいね」と言ってもらえれば、さらに料理がすごく好きになると思います。料理が好きになると料理が得意になっていきます。
今紹介してきたコツを一つでも実践していただき、自分らしい美味しい炒飯を作っていただきたいです。
また、「今日は作らない」という日があってもいいかもしれません。
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