【プロが解説】家庭で本気炒飯!失敗する理由から逆算する作り方

プロが解説 家庭で本気炒飯
本記事は、PRを含みます。掲載内容は個人の経験と独自の選定に基づいています。

家庭でも、お店で食べるようなチャーハンを作りたい。そう思ったことはないですか?

強火にして、鍋を振っても、なぜかうまくいかない。
「パラパラにならない=失敗」と感じている人も多いです。

多くの人は、炒飯づくりで「パラパラにすること」だけを正解だと考えがちです。
ですが、そもそもパラパラ炒飯が絶対の正解なのでしょうか。

実際に僕が働いてきた高級中華のレストランの料理長は、あえてパラパラに作っていないと言っていました。

料理長
料理長

日本人は甘みがあり、粘り気のある白ご飯に馴染みがあるからね

炒飯の主役は、具材でも調味料でもなくコメです。

日本のコメは甘みと粘りが強く、白ごはんとしては最高ですが、この粘りがあるからこそ、炒飯にするのは難しいです。一方で、日本人の中には多少粘りがあったほうが好みという人も多いのではないでしょうか?

個人的にも、ベチャベチャの炒飯は嫌ですが、【炒飯はパラパラであればあるほど美味しい】とは思わないです。

この記事では、その考え方をベースに、家庭で無理なく作れる「本気の炒飯」を解説していきます。

パラパラに寄せる方法だけでなく、自分の好みに合わせて仕上げを調整できる考え方が身につきます。

結論として、家庭においても、プロにおいても炒飯の正解は一つではありません。いつも食卓に並ぶ日本のコメを理解することが、いちばんの近道です。

プロの炒飯の仕込み

かーべ
かーべ

注文が入ったら炊飯器からご飯を取り出して炒めていくんじゃないの??

料理長
料理長

僕のお店では、炒飯専用ご飯を炊いているよ

ちゃーりー
ちゃーりー

実際にどんな流れで炒飯を作っているのか見ていこう!

ホテルでは炒飯専用ご飯を炊いている

プロの料理人が行う炒飯用のご飯の準備。炊飯器に油を加える、バットに広げて粗熱を取る、手で一粒ずつほぐすといった4つの工程。

炊く時は、水を規定量より少し少なめにして炊飯します。こうすることで固めに炊けるので後でほぐれやすくなります。

さらに油を適量回し入れます量は特に決まっていませんが、1合に対して大さじ1くらいでいいです。

料理長
料理長

こうするこで、油で1粒1粒をコーティングできるため、米粒同士がくっつきにくくなるんだ

炊きあがったご飯は、冷めやすいように平たいバットに移し、粗熱を取っていきます。
粗熱がとれたら、冷蔵庫で冷やしていきます。

かーべ
かーべ

忙しいときは冷やしている時間なんてないよ

ちゃーりー
ちゃーりー

時間がない場合は、そのまま使っても大丈夫!これはホテルのやり方だし、町中華では温かいごはんを使ってると思うよ

冷えたご飯は、手でしっかりほぐしていきます。油でコーティングされていてほぐれやすいので、しっかりほぐしてあげましょう。

これで炒飯米の完成です!
ホテルでは、注文が入ったら炒飯米を人数分取って炒めていきます。家庭でこれをやるのは少し手間ですが、ぜひ試してみてほしいです。

  • 水少なめで炊飯
  • 油を回し入れて炊飯
  • 炊いたご飯は、粗熱取って冷蔵庫で冷やす
  • 手でしっかりほぐす

冷蔵庫の冷や飯を使うときのポイント

キッチンのシンクで、ボウルに入れた冷や飯を水で洗い、ザルに上げる様子。お米のぬめりを取り、炒飯をパラパラにするための下準備。

冷蔵庫のご飯を使って炒飯を作る場合もよくあると思います。僕も冷蔵庫のご飯が溜まってきたなと思ったら炒飯をつくります。一気に在庫消費できるのでいいですよね。

これは炒飯用に炊いたご飯ではないので、冷たいまま使うとダマになりやすいです。そこでぬめりをとるために水で洗のもおすすめです。

炒飯づくりでご飯がくっついてしまうのは、ぬめりが原因です。水で洗うことでぬめりを落とすことができます。

日本の米は甘みがあって、粘りもあるので炒飯にするのは難しいです。日本のお米の特徴も知ったうえで炒飯を作ると、それだけでワンラン上の炒飯が出来上がります。

  • ご飯を水で洗ってから使う
  • 日本の米の特徴を理解する

実は、炒飯の仕上がりを左右するのは火力やテクニックだけではありません。使う「お米の品種」が意外と大きなポイントです。

ちゃーりー
ちゃーりー

今回は、家庭でも手に入りやすく、炒めるだけで粒立ちが変わるおすすめの品種2つを紹介するよ

①ササニシキ(宮城県産など)

炒飯に適している理由:お米自体の粘りが控えめなので、炒めた時に一粒一粒が油でコーティングされやすく、ダマになりにくいです。

仕上がりの特徴:噛むと口の中でハラリとほどけるような、軽やかな食感に仕上がります。本格的な町中華のような炒飯を目指すなら、まずは一度試してみてほしい品種です。

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②ななつぼし(北海道産)

炒飯に適している理由:炊き上がりが比較的硬めで、一粒一粒の輪郭がはっきりしています。水分を吸っても形が崩れにくいため、中華鍋で炒めても粒が潰れにくいのが特徴です。

仕上がりの特徴:適度な弾力があり、「お米を食べている!」という満足感のある炒飯に仕上がります。冷めてもベタつきにくいので、お弁当に入れる炒飯にもぴったりです。

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家庭での火力と、鍋の正しい使い方

家庭で鍋を振らなくていい理由

ちゃーりー
ちゃーりー

やっぱり料理人が鍋を振っている姿はかっこいいよね

料理人が中華鍋を振るう姿
料理長
料理長

でも家庭で鍋を振りすぎると美味しい炒飯はできないいんだ

TVなどで炒飯を作っている姿を一度は目にしたことがあると思います。炒飯が宙を舞ってる姿はとても格好いいですよね。しかし、家庭で鍋を振る必要は全くありません。

鍋を振ってしまうと、温度が下がり過ぎてしまいしっかり炒めることができなくなり、結果ベチャベチャの炒飯が出来上がります。中華料理店で、鍋を振る理由は火力が強く焦げやすいためであり、これは家庭には当てはまりません。

どのくらいの火力の違いがあるのか確認してみましょう

コンロの種類火力の目安家庭用との比較
家庭用コンロ約 3.5〜4.2 kW (3,000〜3,600 kcal/h)基準
業務用コンロ約 12〜17 kW (10,000〜15,000 kcal/h)約3〜4倍
中華専用バーナー約 23〜35 kW 以上 (20,000〜30,000 kcal/h〜)約6〜10倍以上
ちゃーりー
ちゃーりー

こんなに火力が違うんだね!お店の真似をしてもうまくいかないわけだ。前提が違うんだもんね

料理長
料理長

家庭だったらすぐに焦げることはないので、一回も振らないでもよし!

家庭の火力ですぐに焦げることはないので、お玉やヘラで、慌てずゆっくり米と卵をほぐしていくようにしましょう。慌ててかき混ぜると米が潰れてしまいます。

火力は常に強火で大丈夫です。また、一気に大量の炒飯を作ると、しっかり炒めきれなくなりベチャベチャになってしまいます。

家庭でも中華鍋をおすすめする理由

かーべ
かーべ

中華鍋は重そうだし、使いにくそう

ちゃーりー
ちゃーりー

中華鍋のメリットも沢山あるから一緒に見ていこう

料理長
料理長

中華鍋にも色々な種類があるから自分にあった相棒を探してみよう

なんといっても最大のメリットは、汎用性だと思います。炒・揚・煮・茹・蒸・焼・汁
すべてを1つでこなせます。

家庭に中華鍋1つだけあればどんな料理も作れるということです。中華鍋だから中華料理しか作ってはダメということはありません。実際にホテルの賄では親子丼やパスタやカレーなども作っていました。

中華包丁も1本あればすべての食材に対応できます。
プロの現場でも、使う道具は、基本的に中華鍋と中華包丁だけです。和食や洋食の場合は、色々な種類、サイズの鍋、包丁を用途にあわせて使い分けています。

僕が中華の道に進んだ理由もここにあります。中華鍋や中華包丁にとても魅力を感じたんです。
包丁1本と鍋1つあればどんな料理も作れるってすごいですよね。合理的すぎる、、、。

中華鍋のメリット・デメリットをまとめた図解
メリットデメリット
水分が飛びやすく、炒め物◯火加減難しい
炒める・揚げる・煮る・茹でるが1つでできる収納△
均一に火が入りやすい家庭だと予熱に時間かかる
食材がこぼれにくい重いものは扱いづらい
鉄なので永久に使える最初は油慣らし必須
使い込むと愛着が出る初期コストはやや高め

中華鍋の詳しい解説や具体的な使い方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

炒飯は「シンプル」が一番おいしい

味付けは塩胡椒のみ

かーべ
かーべ

いつもは鶏ガラスープの素、塩胡椒、醤油を入れてるよ

料理長
料理長

お店での味付けは、基本的に塩胡椒のみだよ。鶏ガラスープの素は入れなくて大丈夫。そして醤油は味をつけるのではなく香り付けの役割なんだ

味付けを塩胡椒のみに絞ることで、卵の甘みとお米の旨味が引き立つ、飽きのこないプロのような味に仕上がります。また具材の味が引き立ちます。

醤油と酒は、一番最後の仕上げの段階で香り付けに鍋肌に垂らしていきます。量は炒飯1人前に対して小さじ1ずつで十分です。

ちゃーりー
ちゃーりー

醤油と酒は味付けの目的ではないから少量でいいってことだね

料理長
料理長

醤油と酒はご飯に直接入れるのではなく、鍋肌に入れるのポイントだよ。ジュッと音がして沸騰するよ。入れたら香りが全体に行き渡るように軽く混ぜあわせよう

最初に卵とご飯を混ぜておくのはおすすめしない

卵とご飯を事前に混ぜておくとパラパラに仕上がると聞いたことがあるかもしれません。色々なところで僕も見かけます。実際に試したこともありました。
しかしこの方法だと卵の存在感が薄れてしまうのであまりおすすめできないです。

この方法は、卵を先に混ぜることでご飯1粒1粒がコーティングされるためパラパラに仕上がるというものです。しかしその結果、卵が混ざりすぎてしまって卵の香りやフワフワ感がなくなってしまいます。

ここでは炒飯専用ご飯を仕込んでいるので、すでに米粒のコーティングは完了しています。

料理長<br>
料理長

卵がご飯粒と一体化してしまうので卵が感じられなくなるよ。
卵もボソボソになりがちだよ

美味しく仕上げるには、卵を均一に行き渡らせるよりも、卵に役割と存在感を持たせることが大切です。

かーべ
かーべ

じゃあ卵はどのタイミングで入れるのがいいの?

ちゃーりー
ちゃーりー

手順をざっくりまとめたから見てみよう

  1. 卵を溶く
  2. 鍋に油をなじませて多めの油を引き、煙が出る直前まで熱する
  3. 卵を入れ周囲が固まり始めたところで卵の上にご飯をいれる
  4. 卵とご飯をひっくり返し、卵でご飯を包み込むようにして手早く混ぜ合わせていく

卵の量は、1人前お茶碗1.5杯分(約200g〜250g)に対して1人1個がベストです。

鍋は振らなくていいです。
おたまやヘラでしっかりご飯をほぐしていきます。量が多くて混ぜるのが大変なときはおたまとヘラの二刀流がおすすめです。2つ使うことでこぼさずにしっかり混ぜることができます。


実際に僕の働いていたレストランでも宴会炒飯20人から30人前の炒飯を一気に作るときは、でっかい中華鍋を使い、右手にヘラ、左手におたまを持ち豪快に混ぜていました。

炒飯の調理手順

コンロの強火で熱した中華鍋を使い、具だくさんの炒飯を豪快に炒める様子。周囲には卵やチャーシュー、ネギなどの色鮮やかな具材が並んでいる。

これまで紹介してきたコツをふまえて、全体像を確認していきましょう

  1. 中華鍋を強火で温める
    中華鍋をしっかり強火で熱し、サラダ油を適量入れて鍋全体に油をなじませます。余分な油はオイルポッドに戻しましょう。 
    その後、大さじ2〜3程度のサラダ油を改めて入れ、煙が出る直前までしっかり熱します。
  2. 卵を入れてご飯と混ぜる
    卵を入れ、周囲が固まり始めたところでご飯を加えます。
    卵でご飯を包み込むように、手早くひっくり返しながら混ぜ合わせていきます。
  3. ご飯をほぐしながら炒める
    お玉でご飯と卵をほぐしつつ、強火でしっかり炒めます。
  4. 具材を加える
    ある程度ご飯がほぐれたら、チャーシューやネギなど好きな具を入れ、さらに炒めます。
  5. 味付け
    塩胡椒で味を整え、最後に醤油や酒を鍋肌から入れ、香りを全体に行き渡らせます。
ちゃーりー
ちゃーりー

レシピ本みたいに『材料はこれを何グラム』って決めなくても大丈夫。自分で考えながら、好きな具材で自由に作ってみてね

まとめ

これまで色々なコツを紹介してきました。

  • パラパラ炒飯が絶対の正解ではない
  • お店では、炒飯専用ご飯を炊いている
  • 炒飯専用ご飯は、冷やして手でほぐしてから使うとパラパラになりやすい
  • 中華鍋は汎用性が高く家庭でもおすすめ
  • 家庭のコンロで鍋を振る必要はない
  • 卵とご飯は事前にまぜない。卵に存在感をもたせよう
  • 炒飯の味付けは塩コショウのみで十分
  • 醤油、酒は香り付けの役割

炒飯というと、「パラパラでなければいけない」と思われがちです。
ですが、実際にはそれが唯一の正解ではありません。

日本のコメは甘みと粘りが強く、白ごはんとしてとて優秀だからこそ、炒飯にするのには、扱いが難しいのかもしれません。

色々なお店で沢山の炒飯を食べてきましたが、全く同じ炒飯は一つもありません。パラパラに仕上げるコツも紹介してきましたが、あまりこだわらず、気楽に炒飯づくりにチャレンジしてもらいたいです。

大切なのは、パラパラにすることではなく、家族や友人に「おいしい」と感じてもらえる仕上がりにすることだと思います。

自分の作った料理を、家族や恋人など大切な人に「おいしいね」と言ってもらえれば、さらに料理がすごく好きになると思います。料理が好きになると料理が得意になっていきます。

今紹介してきたコツを一つでも実践していただき、自分らしい美味しい炒飯を作っていただきたいです。


また、「今日は作らない」という日があってもいいかもしれません。
プロの味に頼る日があっても、全然いいと思います。

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